林材業労働災害防止計画(5ヵ年計画)

  1. 第11次労働災害防止計画を踏まえた取組み結果

     林業・木材製造業労働災害防止協会(以下「協会」という。)は、関係行政機関の指導の下、国の第11次労働災害防止計画を踏まえ、平成20年度を初年度とし、同24年度を目標年度とする「林材業労働災害防止計画(5カ年計画)」を定め、3つの計画目標を立て、目標を達成するため協会組織一丸となって各年の事業に取り組んできた。
     その結果、第1の「平成24年において48人(林業40人、木材製造業8人)を下回ることを目指す」とした死亡者数の目標は、同24年は「林業」が37人、「木材製造業」が6人の計43人となり、「林業」及び「木材製造業」ともに、計画目標を達成することができた(表1)。
     第2の「平成24年において同19年と比べ15%以上の減少を目指す」とした死傷者数の目標は、同24年の「林業」は1,897人で同19年と比べ 17.5%減少した。「木材製造業」は、同24年 1,438人で同19年と比べ 28.3%減少した(表2)。
     第3の「定期健康診断における有所見率の減少を図るため、労働者の健康確保対策を推進するとともに、振動障害新規認定者数は、平成24年において同19年の人数を大きく下回ることを目指す」とした目標は、「林業」及び「木材製造業」ともに、有所見率が増加する傾向を示す結果となっている。一方、振動障害新規認定者数は、減少の傾向を示す結果となっている(表3)。

    《表1》死亡者数の推移

    業種 平成
    19年
    平成
    20年
    平成
    21年
    平成
    22年
    平成
    23年
    平成
    24年
    災害増減率
    林業 50人 43人 43人 59人 38人 37人 -26.0%
    木材製造業 8人 16人 10人 9人 10人 6人 -25.0%

    資料出所:厚生労働省「死亡災害報告」
    注1 平成23年は、東日本大震災を直接の原因とするものを除いている。
     2 増減率は、平成19年と比較した同24年との増減率である。

    《表2》死傷者数の推移

    業種 平成
    19年
    平成
    20年
    平成
    21年
    平成
    22年
    平成
    23年
    平成
    24年
    災害増減率
    林業 2,300人 2,257人 2,306人 2,363人 2,219人 1,897人 -17.5%
    木材製造業 2,006人 1,739人 1,463人 1,446人 1,443人 1,438人 -28.3%

    資料出所:厚生労働省「労働者死傷病報告」
    注1 平成23年は、東日本大震災を直接の原因とするものを除いている。
     2 増減率は、平成19年と比較した同24年との増減率である。

    《表3》定期健康診断における有所見率の推移

    業種 平成
    19年
    平成
    20年
    平成
    21年
    平成
    22年
    平成
    23年
    平成
    24年
    農林業 10,331人
    63.4%
    10,398人
    66.5%
    10,557人
    67.3%
    11,682人
    67.3%
    木材製造業 31,414人
    52.9%
    30,369人
    55.9%
    25,777人
    57.7%
    25,547人
    58.4%

    資料出所:厚生労働省「定期健康診断結果報告」
    注1 林業は、農林業に含まれる。
     2 上段は受診者数、下段は有所見率である。
     3 平成23年、同24年の数は、未公表である。

    《表4》振動障害新規認定者数の推移

    業種 平成
    19年
    平成
    20年
    平成
    21年
    平成
    22年
    平成
    23年
    平成
    24年
    林業 66人 41人 43人 36人 41人

    資料出所:厚生労働省「業務上疾病の労災補償状況調査結果」
    注 平成24年の数は、未公表である。

     しかしながら、「林業」の労働災害を産業別死傷年千人率(休業4日以上、平成23年値)でみると、「全産業」の 13.2倍となっており、また、「木材製造業」では、「製造業」の2.8倍となるなど、他産業に比べて著しく高い状況がまだまだ続いている。これらの労働災害の発生原因を見てみると、本来遵守するべき安全確保のための基本的な作業手順を励行していないことに起因する労働災害が多発しており、依然として同種作業、類似災害の発生を繰り返すなどの傾向も顕著である。

    《表5》産業別死傷年千人率の推移

    業種 平成
    19年
    平成
    20年
    平成
    21年
    平成
    22年
    平成
    23年
    平成
    24年
    全産業 2.3 2.3 2.0 2.1 2.1
    林業 29.5 29.9 30.0 28.6 27.7
    製造業 3.2 3.0 2.5 2.6 2.7
      木材製造業 9.2 8.3 7.2 7.4 7.9

    資料出所:厚生労働省「労働者災害補償保険事業年報、労災保険給付データ」
    注 平成24年の数は、未公表である。

  2. 第12次労働災害防止計画を踏まえた取組み(平成25年〜平成29年)

     このような状況の下、平成25年3月8日に国が公示した「第12次労働災害防止計画」を踏まえ、林材業で働く人々の安全と健康の確保を目指し、今後5年間に協会が取り組むべき方向と対策を示した「林材業労働災害防止計画(5カ年計画)」を策定することとする。
     林材業に働く人々の安全と健康はかけがえのないものであり、何にもまして尊重すべきものであることを胸に刻み、事業者、労働者をはじめ関係者が一体となり、積極的に安全衛生水準の向上に努めていくこととする。また、これらの取組については、協会組織が一丸となって、関係行政機関、関係団体等と密接な連携を図りつつ推進していくこととする。

    1. (1)計画の期間
       本計画は、平成25年度を初年度とし、同29年度を目標達成年度と定めた5カ年計画とする。
    2. (2)計画の目標
       究極的な目標である「労働災害をゼロにすること」の実現のために、労働災害の防止、労働者の健康の確保及び快適な職場環境の形成の促進を図り、林材業の安全衛生水準の向上を期すため、次の目標を設定する。
       なお、平成29年までの間、これらの目標に向けた逐年での減少を図る。
    〔死亡災害〕
     死亡災害の撲滅を目指し、林材業における労働災害による死亡者の数が、平成29年において36人(林業31人、木材製造業5人)を下回ること
    〔死傷災害〕
     平成24年と比較して、平成29年までに林材業における労働災害による休業4日以上の死傷者の数を、15%以上減少させること
  3. 本計画期間中に取り組むべき重点対策

    <林業、木材製造業共通の重点対策>

    1. (1)「林業・木材製造業労働災害防止規程」の遵守
      林材業における自主的な労働災害防止のための基準として定め、協会の会員が守るべき「林業・木材製造業労働災害防止規程」の遵守の徹底を図る。
    2. (2)リスクアセスメントの確実な実施の推進
      労働災害の着実な減少を図るため、事業場のリスクアセスメント担当者等に対して啓発活動を行うとともに、同担当者の養成の促進を図る。また、安全管理士等が現場安全パトロール等を通じ、個別事業場に対してリスクアセスメント定着のための指導を行う。
    3. (3)熱中症の予防対策の徹底
      熱中症を予防するため、特に夏季の屋内外作業について、必要な予防対策の周知、徹底を図る。
    4. (4)高年齢労働者対策の徹底
      高年齢労働者のさらなる増加に備え、身体機能の低下に伴う労働災害防止対策の取り組みの推進とともに、基礎疾患等に関連する労働災害防止対策の徹底を図る。

    <林業における重点対策>

    1. (1)安全衛生管理体制の構築
       労働災害の防止対策を進める上で、安全衛生推進業務を担うべき責任者を明確にする観点から、事業場規模別に安全衛生管理体制の構築を図る。併せて、振動工具管理責任者を選任し、作業者の健康確保のため、低振動工具の使用、作業管理及び健康管理の徹底を図る。
    2. (2)伐木造材作業の安全な作業方法の徹底
       林業の労働災害の中でも特に発生率が高い伐木造材作業については、安全な作業方法と正しい作業手順の一層の徹底を図る。
    3. (3)かかり木の処理作業における安全な作業方法の徹底
       死亡災害が多発しているかかり木処理作業については、事業者及び作業者に対して「かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン」の啓発活動を行い、安全な作業方法の普及徹底を図る。
    4. (4)車両系林業機械作業の安全教育の実施と安全作業の徹底
       車両系林業機械の運転業務は、高度な知識と安全な作業方法の習得が必要であるため、運転業務従事者等に対する確実な安全教育の実施を図るとともに、労働災害防止対策の取組の推進を図る。
    5. (5)緊急連絡体制の整備の促進
       林業における労働災害発生時の的確な応急処置と迅速な搬送のため、作業現場と事業場との緊急連絡体制の整備を図るとともに、日頃からの訓練の徹底を促進する。

    <木材製造業における重点対策>

    1. (1)木材加工用機械の安全化の促進及び安全な作業方法の徹底
      木材加工用機械の導入に当たっては、機械の包括的な安全基準に関する指針に基づく事項を講じた機械の設置を促すとともに、使用上の情報の提供を踏まえ、リスクアセスメントを実施する。特に、労働災害の発生が多い、はさまれ、巻き込まれ、切れ、こすれに対する防止対策を講じた安全な作業方法を確立し、その励行の徹底を図る。
    2. (2)木材加工用機械作業主任者等の適正な配置及び職務の励行
       木材加工用機械作業主任者の選任を要する事業場においては、作業主任者の確実な選任と、その職務の励行の徹底を図る。
       なお、木材加工用機械作業主任者の選任を要しない事業場においては、安全確認者を選任し、その職務の励行の徹底を図る。
    3. (3)荷の積卸し作業、はい作業における安全な作業方法の徹底
       フォークリフト、ログローダ等の荷の積卸し作業は、最大荷重にあった有資格者により行うとともに、2m以上のはい付け又ははいくずし作業については、はい作業主任者を選任し、その職務の励行の徹底を図る。さらに、作業方法についても、リスクアセスメントの導入促進を推進し、安全な作業方法の確立、徹底を図る。
    4. (4)非定常作業における労働災害防止対策の徹底
       非定常作業においても、計画的非定常作業や予測可能な作業については、定常作業と同じく作業手順を作成し、日頃からの訓練の徹底を図る。

(平成20年度から平成24年度)林材業労働災害防止計画(5ヵ年計画)(PDF:175KB)

(平成25年度から平成29年度)林材業労働災害防止計画(5ヵ年計画)(PDF:252KB)

林材業労働災害防止計画(5カ年計画)リーフレット(PDF:968KB)

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