災害事例研究

No.117


【林業】かかっている木へ投げ倒し(浴びせ倒し)をしたところ、その伐倒木が跳ね、下敷きになった

 間伐作業中、かかり木となったので、かかり木を投げ倒しにより外そうとしたところ、投げ倒しをした伐倒木が跳ね、伐倒木の下敷きになった。

◆災害の発生状況◆

 被災者は、スギ林分の間伐作業中、伐倒したスギがかかり木になったので、投げ倒しによりかかり木を外そうと隣の木を伐倒したところ、伐倒木がかかり木の幹の部分に当たって予期しない方向に跳ね、伐倒木の下敷きになった。

◆災害の発生原因◆

  1. かかり木を外そうと「投げ倒し」を行ったこと。
  2. 退避が遅れたこと。
  3. 指示受け作業にも拘わらず、独断で作業を行ったこと。

◆災害の防止対策◆

  1. かかり木をはずす方法として、「投げ倒し」の作業は非常に危険であるため、実施しないこと。
     かかり木が20cm未満である場合は、ターニングストラップ等を用いてかかり木を外すこと。また、かかり木が20cm以上である場合は、チルホール等のけん引具、スイングヤーダ等を用いてかかり木を外すこと。
  2. 立木が倒れ始めたら、速やかに伐倒方向の反対側の立木の陰等に退避すること。なお、枝等が飛来、落下する恐れがあるので、伐倒木から3m以上離れることが必要である。
  3. かかり木処理作業は、大変危険なので事業者の指名した熟練者の指示により作業を行うこと。また、作業はできるだけ2人以上で実施すること。

〈参 考〉
最後に、今年2月12日に伐木等作業に係る労働安全衛生規則の一部が改正されました。その改正の中で、かかり木の処理方法について、次のように改正されました。今年の8月1日に施行となります。

労働安全衛生規則第478条(令和元年8月1日施行)

 事業者は、伐木の作業を行う場合において、既にかかり木が生じている場合又はかかり木が生じた場合は、速やかに当該かかり木を処理しなければならない。ただし、速やかに処理することが困難なときは、速やかに当該かかり木が激突することにより労働者に危険が生ずる箇所において、当該処理の作業に従事する労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を縄張、標識の設置等の措置によって明示した後、遅滞なく、処理することをもって足りる。
 2 事業者は、前項の規定に基づき労働者にかかり木の処理を行わせる場合は、かかり木が激突することによる危険を防止するため、かかり木にかかられている立木を伐倒させ、又はかかり木に激突させるためにかかり木以外の立木を伐倒させてはならない。

林業・木材製造業労働災害防止規程〈抜粋〉

(かかり木の処理)
第54条 会員は、かかり木が生じた場合には、作業者に当該かかり木を速やかに処理させるとともに、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
 (1)略
 (2)作業は、できるだけ2人以上の組となるように調整すること。
 (3)略
2 作業者はかかり木の処理について、次のアからオまでに掲げる事項を行ってはならない。
 ア (略)
  イ 他の立木を伐倒し、かかり木に激突させることにより、かかり木を外すこと。
 ウ~オ(中略)

(指示を要する伐木)
第53条 会員は、次の各号に掲げる業務に就かせる場合には、安衛則第36条第8号に係る特別教育修了者のうちから技能を選考のうえ、会員が指名した者に、伐倒による危害を防止するための必要な事項を指示させなければならない。
 (1)~(4)略
 (5)かかり木となるおそれのある木の伐木の業務
 (6)かかり木の処理の業務

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