災害事例研究

No.120


【林業】つるがらみの立木を伐倒しようとしたところ、つるが巻いていた枝が落下し、被災者に激突

 立木を伐倒しようとしたところ、つるがらみで倒れなかったため、つるがらみのもう一方の立木を倒そうとしたところ、つるが切れ、その反動で枝が折れ被災者に激突した。

◆災害の発生状況◆

 被災者はアカマツ人工林の皆伐作業に従事していた。
 アカマツA(胸高直径32cm、樹高19m)を伐倒したところ、つるがらみにより30度傾斜した状態で倒れなかったため、アカマツAから53cm離れた、つるがらみのもう一方のアカマツB(胸高直径34cm、樹高19m)を倒そうと受け口、追い口切りを10cm切ったとき、つるが切れアカマツAが倒れるとともに、つるが切れた反動でつるが絡んでいたアカマツBの高さ11mの枝(元口径13cm、長さ9m、重さ63Kg)が落下し、被災者の背中に激突した。

◆災害発生の原因◆

 伐倒前につるがらみの状態を確認せずに作業を行っていたと推察される。

◆災害の防止対策◆

  1. 伐倒前につるがらみの状態を確認し、安全な作業方法を選択(後述の災防規程第56条第2項を参照)すること。
  2. 伐倒作業を実施する場合は、2~3年前につる切りを実施してつるを枯らしておくことが有効であること。

◆ 参 考 ◆

 つるがらみの木のつるは、伐倒前に必ず除去します。つるは1本の木に絡まっているだけでなく、立木の上部で隣接木と絡み合っていることがあります。
 このような場合には、つるを事前に除去するのが困難なので、つるの根元を切り離し、つるが絡まっている木を同時に切り倒します。
 伐倒する前に、伐倒木や隣接木との状態(立木の傾き、枝がらみ、つるがらみ、重心の位置等)をよく観察します。
 危険が予想される場合は、事業者の指示を受け、熟練者の指導のもとに作業を行います。

★ 特に注意する“ツル” ★

フジツル、ヤマブドウ、クズ等

枯れても強い材質を保持しているものもあり、根元を事前に切っておいたからといって安心できません。

林業・木材製造業労働災害防止規程〈抜粋〉

 (伐倒作業前の準備)
第55条 会員は、伐倒作業に当たり、作業者に次の事項について事前に確認させ、必要な措置を行った後に伐倒させなければならない。
(1)略
(2)立木の樹種、重心、つるがらみや枝がらみの状態、頭上に落下しそうな枯損木、枯れ枝等の有無を確認すること。
(3)~(5) 略
(枝がらみの木、つるがらみの木の伐倒)
第56条
(1)~(2) 略
2 会員は、つるがらみの木を伐倒する場合には、作業者に、できる限り伐倒前につる類を取り除かせなければならない。事前に取り除くことができない場合には、同じ方向に同時に伐倒することとし、まず、伐倒方向の側にある木の受け口を大きめに作り、追い口を切り、くさびを打って重心を移動させておき、次に他の木を、先にくさびを打ったままにしておいた木の方向に倒し、同時に伐倒させなければならない。

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