災害事例研究

No.124


【林業】スキッダでかかり木処理中、かかっている木が外れ、被災者が下敷きとなった

 伐倒作業により、かかり木となったので、近くで集材作業をしていたスキッダのウインチでかかり木処理をすることとなり、被災者が引き寄せのためのワイヤロープをセットしているときに、かかっている木が突然落下し下敷きとなった。

◆災害の発生状況◆

 被災者はカラマツを伐倒したところ、隣接木にかかり木になったので、近くで集材作業中のスキッダでかかり木を処理することとなり、かかっているカラマツの根元付近にスリングロープを巻き付け、スキッダのウインチのロープを通していたところ、かかっていた木が突然落下して被災者の頭部に激突し下敷きとなった。

◆災害発生の原因◆

  1. かかり木が外れた場合に何処へ落下するか確認せず、かかり木の落下地点に立ち入って作業をしたこと。
  2. かかり木の処理中であったにも関わらず、かかり木に注意を払うことを怠ったこと。
  3. かかり木が外れ始めたときに直ちに退避しなかったこと。

◆災害の防止対策◆

  1. かかり木は、いつ落下するか分からないので、かかり木の落下地点には立ち入らないように作業手順及び作業の方法を選択してかかり木処理を行うこと。
    また、かかり木の状況等によって異なるが、スギ、サワラ、モミ、カラマツ等は枝が折れやすいので注意を要する。
  2. かかり木の処理を終えるまでの間は、当該かかり木の状況について常に注意を払うこと。
  3. かかり木が外れはじめたときは直ちに退避すること。また、退避できるように退避路及び退避場所は事前に選定し、障害物となる物は除去しておくこと。
  4. かかり木処理作業は、大変危険な作業なので事業者の指名した熟練者の指示により作業を行うこと。

林業・木材製造業労働災害防止規程〈抜粋〉

(かかり木の処理)
第54条 会員は、かかり木が生じた場合には、作業者に当該かかり木を速やかに処理させるとともに、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 当該かかり木の処理の作業について安全な作業をさせるため次のアからオまでの事項を行わせること。
ア 当該かかり木の径級、状況、作業場所及び周囲の地形等の状況を確認すること。
イ 当該かかり木が生じた後速やかに、当該かかり木により危険を生ずるおそれのある場所から安全に退避できる退避場所を選定すること。
ウ 当該かかり木の処理の作業の開始前又は開始後において、当該かかり木がはずれ始め、作業者に危険が生ずるおそれがある場合、イで選定した退避場所に作業者を退避させること。
エ かかり木が生じた後、やむを得ず当該かかり木を一時的に放置する場合を除き、当該かかり木の処理の作業を終えるまでの間、当該かかり木の状況について常に注意を払うこと。
オ  略 
(2)~(3) 略
2 略
(指示を要する伐木)
第53条 会員は、次の各号に掲げる業務に就かせる場合には、安衛則第36条第8号に係る特別教育修了者のうちから技能を選考のうえ、会員が指名した者に、伐倒による危害を防止するための必要な事項を指示させなければならない。
(1)~(5) 略
(6) かかり木の処理の業務

 最後に、昨年2月12日に伐木等作業に係る労働安全衛生規則の一部を改正する省令が公示され、8月1日には施行となりました。しかし、残念なことに省令施行までの間にかかり木処理として禁止されたことが繰り返し行われ、尊い命が失われていることを思うと心が痛みます。会員の皆さんには、法令を遵守した適正なかかり木処理の徹底をお願いします。

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