災害事例研究

No.126


【林業】枝払い作業者が枝払いした木と集材木に挟まれた

 チェーンソーを用いた枝払い作業中、木材グラップル機のウインチで引き上げていた集材木と後から引き上げた集材木との間に腹部を挟まれた。

◆災害の発生状況◆

 現場は、スギ林(55年生、傾斜15度)で、被災者は、作業責任者と他の作業員の計7名とともに、間伐材の伐倒・集材作業に従事していた。
 伐倒はチェーンソーで行い、被災者は伐倒したスギを荷掛けし、木材グラップル機のウインチで作業道から引き上げようとしたが、スギ(胸高直径50cm、樹高25m)はそのままでは引き上げられなかったため、真ん中で玉切りをし、まず先端側を作業道に引き上げた後、根本側を作業道に引き上げようとしていた。
 一旦、被災者は伐倒木の根元側を荷掛けした後、作業道まで上がっていたが、根元側を引き上げるまでに、伐倒木の先端側の枝打ちを済ましてしまおうと先端側の傍らに立ち入ったところ、木材グラップル機の運転者が作業者に気付かず伐倒木の根元部分を引き上げてしまったため、先端側の伐倒木と引き上げた根元側の伐倒木との間に身体を挟まれた。

◆災害発生の原因◆

  1. 被災者が、根元側の伐倒木を引き上げる方向に立ち入ったこと。
  2. 木材グラップル機の運転者が、根元側の伐倒木を引き上げる際に、引き上げ方向の安全確認と合図をしていなかったこと。
  3. 伐倒木の引き上げ・枝払い等の具体的な手順を含む作業計画を定めていなかったこと(枝払いをどの時点で行うかの具体的な打ち合わせができておらず、被災者及び運転者ともに思いこみで作業が行われたことが問題である)。

◆災害の防止対策◆

  1. 伐倒木の引き上げる方向など原木等との接触の危険のある場所には立ち入らないこと。
  2. 木材グラップル機のウインチ等で伐倒木を引き上げる場合は、引き上げる方向の安全を確認すること。
  3. 具体的な手順を含む作業計画を定めておくこと。
    特に伐倒木の枝払いを行う際には、他の伐倒木の引き上げの有無など周囲の安全を確認するとともに、運転者に合図をして行うなど具体的な手順を定めておくこと。
  4. リスクアセスメントを実施し、リスクを減らす取組を実施すること。

林業・木材製造業労働災害防止規程〈抜粋〉

(合図等)
第152条 会員は、簡易架線集材作業を行うときには、簡易架線集材装置の運転者と荷掛け、又は荷外しをする者を指名して、その者に作業を行わせなければならない。
2 会員は、作業者間の連絡を確実にするため、トランシーバー又は電話等の通信装置を設け、又は一定の合図を定めて、当該合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。
簡易架線集材装置の運転者は、指名を受けた者による指示又は合図に従わなければならない。
(立入禁止)
第153条 会員は、簡易架線集材作業を行うときは、次の箇所に作業者を立ち入らせてはならない。
(1)原木等を荷掛けし、又は集材している場所の下方で、原木等が転落し、又は滑ることにより、作業者に危険を及ぼすおそれのあるところ
(2)~(3)略は、3分の1以上とすること。

災害事例研究 バックナンバー

▲ページのトップへ