災害事例研究

No.16


【林業】かかり木を放置し立木を伐倒後、かかり木が落下して下敷き

 かかり木をそのまま放置し、近くの立木を伐倒した後に、かかられた木を伐倒したところ、かかり木が落下してその下敷きになった。

◆災害発生の状況◆

 当日、午前中の作業は、土場作業3名、伐木作業4名に分かれ、午前11時30分まで作業を行った。被災者は伐木作業に従事していた。午後12時30分より作業を再開し、午前と同様の作業分担により被災者は伐倒作業を行っていた。なお、午後2時15分頃には、同僚が被災者のチェーンソーの音を聞いていた。
 その後、午後3時30分頃、現場責任者が翌日の作業段取り指示のため被災者の作業場所へ行ったところ、伐倒木の下敷きになっているところを発見した。
 現場責任者は直ちに、会社へ事故を通報するとともに、作業者全員で伐倒木を移動させ被災者を救出し、救急車で病院へ搬送したが、死亡が確認された。

◆災害発生の原因◆

被災場所の状況から、

  1. かかり木処理で禁止事項となっている「かかられている木」を伐採したこと。
  2. このため、かかり木が外れ直下にいた被災者に激突したこと。
  3. かかり木が発生したとき、かかり木をそのまま放置して他の作業に移り、その後、放置していたかかり木を一人で処理したこと。

なお、推測される被災者が取った作業順序は以下のとおり(図面参照)。

ア.
ミズキ①を伐倒したが、予定していた伐倒方向から65度時計回りに方向が変わり、10.9m離れた谷川のトドマツ⑤にかかり木となったがそのまま放置。

イ.
山側のトドマツ②を「横山に伐倒」し、当該木の枝払いを行った後、さらに山側のミズキ③を「坂下に伐倒」した後、加害木伐根直近のトドマツ④を「横山に伐倒」。

ウ.
その後、かかり木状態で放置していたミズキ①のかかられたトドマツ⑤を伐倒したところ、かかり木となっていたミズキ①が落下して被災者を直撃したものと推測。

◆災害防止対策◆

  1. かかり木が発生したらそのまま放置せず、複数の者により適正な方法を検討の上、けん引具等の器具あるいは重機等を用い安全に処理すること。
  2. かかり木処理で禁止事項となっている「かかられている木の伐倒」は絶対にしないこと。
  3. 伐採に当っては、伐倒木の状況、隣接木、つる絡み、枝絡み等十分精査の上、安全、確実な伐倒方向を検討すること。
  4. 伐倒方向をより確実にするため、クサビを使用すること。

図:災害事例研究No.16

災害事例研究 バックナンバー

▲ページのトップへ