災害事例研究

No.24


【林業】かかり木が落下して下敷きとなった

 伐倒木がかかり木となり、かかられた木を伐倒していたところに、かかり木が落下してその下敷きになった。

◆災害発生の状況◆

 当日の作業は、午前中、伐木作業2名、グラップル運転3名、ハーベスタ運転1名の6名が従事。被災者は、伐倒作業に従事していた。

 午後0時30分より作業を再開し、午前と同様の作業分担により作業が行われ、被災者は伐倒作業を午後4時頃まで行っていたが、その後、集合場所の山土場には戻らなかった。

  直ちに同僚が手分けして捜索したところ、午後4時15分頃、山土場から歩いて約3分の約20度の斜面で、カラマツの下敷きとなり、身体が「くの字」の前屈状態で、チェーンソーを持った状態の被災者が発見された。発見者が直ちに全員を呼び、被災者上のカラマツをチェーンソーで切断して救出した。

 なお、これより前の午後3時50分頃、ハーベスタで移動中の同僚が、斜面を移動している被災者を目撃していた。

  被災現場は携帯電話が通じないことから、代表者が途中で出会ったトラックの無線で運送会社を経由して、救急車を手配し病院に収容したが死亡が確認された。

◆災害発生の原因◆

被災場所の状況から、

  1. かかり木処理で禁止事項となっている、「かかられている木」を伐倒したこと。
  2. このため、かかり木が外れ直下にいた被災者に激突したこと。
  3. かかり木が発生したとき、かかり木をそのまま放置して、かかられた木を伐倒してかかり木を処理しようとしたこと。

◆災害防止対策◆

  1. かかり木が発生したらそのまま放置せず、複数の者により適正な方法を検討の上、けん引具等の器具あるいは重機等を用い早急に安全に処理すること。
  2. かかり木処理で禁止事項となっている「かかられている木の伐倒」はしないこと。
  3. 伐倒作業に当たっては、伐倒木の状況、隣接木、つる絡み、枝絡み等を十分精査の上、安全、確実な伐倒方法を検討すること。   なお、この場合、「林業・木材製造業労働災害防止規程」に明示されている作業方法の基準に基づき、①準備作業、伐倒、かかり木処理などの②本作業、③後確認を作業のステップに応じて安全作業を励行すること。
  4. 伐倒方向をより確実にするため、クサビを使用すること。
  5. 事業者または現場責任者(職長・班長等)は、適宜に作業現場を巡視し、作業別の標準作業から外れた問題のある作業方法について、安全な作業手順の教育・指導、監督・指示などを行い問題点の改善を行うこと。
    図:災害事例研究

被災状況の説明

被災者が行った作業順序は以下のとおり推測される。

ア.
カラマツ①を伐倒したが、斜面下方にあるカラマツ②にかかり木となったがそのまま放置。

イ.
かかられたカラマツ②を伐倒しようとして、当該木に受口を設けた後、追い口側から鋸断をしていた。

ウ.
かかられたカラマツ②を鋸断中に、かかり木状態のカラマツ①の重力、水平方向分力が、伐倒中のカラマツ②に負荷しており、鋸断途中でカラマツ②がつる部分から裂けて倒れ始めた。

エ.
カラマツ②を伐倒していた作業者は、カラマツ①を背にしてかかり木の落下により危害を受ける区域で鋸断をしていた。

オ.
このような状況のもとで、かかり木となっていたカラマツ①が外れて落下してきたが気づかずに、鋸断作業中の前かがみの被災者が背後から落下するかかり木①に直撃され、体をくの字に屈したまま落下木に胸腹部を強圧されたものと推測。

◆まとめ◆

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