災害事例研究

No.69


【林業】伐倒方向を規制していた伐倒木が倒れ直撃される

 切り捨て間伐作業において、ワイヤロープによりけん引し、倒れる方向を規制していた伐倒木に、けん引していた被災者が激突された。

◆災害の発生状況◆

 被災者は、同僚と2人1組で切り捨て間伐作業に従事していた。
 被災者は、伐倒方向を規制するため、伐倒木の上部と伐倒方向にあるスギ立木の根元をワイヤロープとチルホールを用いてけん引し、もう1人の作業者は、チェーンソーによりスギ(胸高直径30㎝、樹高23m)の伐倒作業を行った。
 木が少し倒れかかった時、被災者は当初予定していた退避方向と違う方向(木を倒す予定の方向)に退避したため、被災者は伐倒木に頭を激突された。

◆災害発生の原因◆

  1. ガイドブロックを用いて伐倒木のけん引方向を変えることなく、直接チルホールでけん引したため、被災者が引いていた方向に倒れてしまったこと。
  2. 被災者が伐倒木の樹高の1.5倍以内の立入禁止区域内にいたこと。
  3. チェーンソー作業者とワイヤロープ作業者との合図・連絡が不十分であったこと。
  4. 事前に退避場所を選定していなかったこと。
  5. 安全衛生教育が徹底されていなかったこと。

◆災害防止対策◆

 最近の死亡災害の中で、チェーンソーの伐木作業中の占める割合は依然として6割を占め、類似災害を繰り返していることから、伐倒方向を規制する作業の留意点を以下にまとめました。

  1. チルホール等のけん引具を用いて伐倒作業をするときは、ガイドブロックを用いてけん引方向を変える等、安全で確実な作業方法とすること。
  2. 伐倒木のできるだけ高い位置にワイヤロープを巻き、樹高の1.5倍以上離れたところからけん引すること。
  3. 事前に作業手順及び合図の方法を定め、絶えず合図を取りながら作業を行うこと。

<労働安全衛生規則>

(伐倒の合図)

第479条
 事業者は、伐木の作業を行なうときは、伐倒について一定の合図を定め、当該作業に関係がある労働者に周知させなければならない。

2 事業者は、伐木の作業を行なう場合において、当該立木の伐倒の作業に従事する労働者以外の労働者(以下本条において「他の労働者」という。)に、伐倒により危険を生ずるおそれのあるときは、当該立木の伐倒の作業に従事する労働者に、あらかじめ、前項の合図を行なわせ、他の労働者が避難したことを確認させた後でなければ、伐倒させてはならない。

3 前項の伐倒の作業に従事する労働者は、同項の危険を生ずるおそれのあるときは、あらかじめ、合図を行ない、他の労働者が避難したことを確認した後でなければ、伐倒してはならない。

(伐木作業における危険の防止)

第477条
 事業者は、伐木の作業(伐木等機械による作業を除く。第479条において同じ。)を行うときは、立木を伐倒しようとする労働者に、それぞれの立木について、次の事項を行わせなければならない。

一  伐倒の際に退避する場所を、あらかじめ、選定すること。

二~三(略)

2 立木を伐倒しようとする労働者は、前項各号に掲げる事項を行わなければならない。

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