災害事例研究

No.84


【木材製造業】原木皮むき機の搬送機械の木くず除去作業中、頭部を挟まれる

 搬送機械の木くずを取り除こうとして、コンベア内に入って作業中、被災者の頭部がコンベアに挟まれ、死亡したものである。

◆災害の発生状況◆

 災害のあった現場は製材工場の原木皮むき機(リングバーカー)の搬送装置(写真1、2参照)である。午前8時から作業を開始した。午前9時頃、被災者は搬送装置のコンベアの下で、はがれた樹皮が垂れ下がっていたため、搬送装置に潜り込み取り除こうとした。この搬送装置は動いたり止まったりを繰り返し断続的に稼働するものであったため、被災者は止まったタイミングでしゃがんだ姿勢から少し立ち上がって、木くずを取り除こうとしたと思われる。その瞬間搬送装置が動き出し、頭部を挟まれた。

◆災害の発生原因◆

  1. 稼働している搬送装置を停止することなく、同機械の可動範囲に入って、木くずの除去作業を行ったこと。
  2. 搬送装置の可動範囲内に入れなくするために安全柵を設置するなどの措置がされていなかったこと。
  3. リスクアセスメントを実施していなかったこと。
  4. 危険箇所に危険表示をしていなかったこと。

◆災害の防止対策◆

 最近は、木材加工用機械も自動化・大型化している。そのため、今回の機械でも操作盤のメインスイッチの箇所には、機械を止めて、鍵を掛けてから清掃作業するように表示されていた(写真3参照)。しかし、いちいち操作盤の所に行くのが面倒になり、機械を動かしたまま掃除をしたことが考えられる。災害の直接の原因は非常に単純であるが、再発防止への対策は不安全状態を生じさせた根本原因を取り除かなければならない。

  1. 搬送装置の危険区域に安全柵を設置し立入を禁止すること。(本質安全化)
  2. 危険区域に入らなくても作業棒などを使用して清掃作業ができるようにする。(フェイルセーフ)
  3. 工場内のすべての機械について、リスクアセスメントを実施する。(危険源の特定と作業者の危険性への感受性を高める)
  4. 危険表示・作業手順を危険箇所に表示すること。(作業者の注意力・判断力の低下を補う)

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