中高年齢林業労働者に対する安全作業の要件
(1)中高年齢者に対して一般に配慮すべき作業
- 重量物の運搬
- 不自然な作業姿勢を長時間とる作業
- 体力と持久力が要求される作業
- 温度、湿度、騒音など悪環境下での作業
- 階段の昇降が大きい、高所での作業
(2)中高年齢者の安全作業の要件
心身機能の低下や災害発生傾向を自覚すること
- 自分自身の技能を過信し、心身機能低下を忘れぬこと
- 心身諸機能を定期的にチェックすること
- 身体諸機能低下を防止する手だてを講じること
- 加齢と労働災害の関係を分析し、対策につなげること
危険作業を避け、次のような作業には十分注意を払うこと
- 伐倒、荷掛けのような高年齢者の災害多発作業
- 架設撤去や保育(枝打ちなど)での樹上作業(高所作業)
- 急傾斜地や足場の悪い場所でのチェーンソーや刈払機による作業
- はい積み上での巻き立て作業
- 丸太移動、ワイヤロープ運搬など重量物を取り扱う作業
- 炎天下での下刈作業など極端に暑い場所での労働負担の大きい作業
無理な作業はしないこと
- 「昔やれたから」はやめにして、危険に対する意識水準を高めて作業すること
- 自分の体力やリズムに応じて自分のペースで作業すること
- 技能や知識を過信せず、正しく適切な作業を積極的に取り入れること
(3)中高年齢者が高性能機械化作業に対応するための要件
中高年齢者にやさしい林業機械の開発・改良
- 操作しやすい制御機構
- メーター類の見やすさや配置の改良
中高年齢者に対応した高性能林業機械のための教育・訓練プログラムの開発
本質安全(フールプルーフ、フェールセーフ)などの観点に立った機械の開発・改良
フールプルーフ: 作業者が機械などの取り扱いを誤っても災害や事故につながらないようにすること。
フェールセーフ: 機械設備やその部品が破損、故障しても機械などは常に安全側に作用するようにすること。