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第2編 林業 第2章 チェーンソーによる作業 第1節 チェーンソーの使用(第34条‐第44条)

第1款 通則

(チェーンソーの選定基準)
第34条
会員は、平成21年7月10日付け基発0710第1号「チェーンソー取扱い作業指針について」で示されたとおり、次に定めるところによりチェーンソーを選定しなければならない。
  • (1) 日振動ばく露量A(8)が、日振動ばく露限界値(5.0m/s2)を超えることがないよう振動ばく露時間の抑制、低振動のチェーンソーの選定を行うこと。
  • (2) 日振動ばく露限界値(5.0m/s2)を超えない場合であっても、日振動ばく露対策値(2.5m/s2)を超える場合は、振動ばく露時間の抑制、低振動のチェーンソーの選定を行うこと。
  • (3) できるだけ軽量な機種を選択すること。
  • (4) 大型のチェーンソーは大径木の伐倒等やむを得ない場合に限って用いること。
  • (5) 伐木造材を行う原木の径に適合した長さのガイドバーの機種を選択すること。
(振動工具作業計画)
第35条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、次に定めるところによらなければならない。
  • (1) 作業開始前に、1日の振動ばく露時間を定めた振動工具作業計画を作成し、書面等により作業者に周知するとともに、適切な人員配置を行う等チェーンソーの取扱いによる労働災害を防止するための措置を講ずることによりチェーンソーの取扱いによる労働災害の防止に努めること。
  • (2) 伐倒、集材、運材等を計画的に組み合わせること、又はチェーンソーを取り扱わない日を設けることにより、1週間の振動ばく露時間の平準化を図ること。
2 会員は、第50条に規定する作業計画の作成に当たっては、前項第1号の振動工具作業計画に定める1日の振動ばく露時間を作業期間の設定に反映させなければならない。
(目立て機器の備付け)
第36条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、チェーンソーの目立てを行うための機器を備え付けなければならない。
(服装等)
第37条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、作業者に、次に掲げる事項を守らせなければならない。
衣服は、刃物、工具、危険な動植物、枝条等と皮膚との接触を防ぐため、皮膚の露出を避け、身体にあった袖締まりのよい長袖の上衣及び裾締まりのよい長ズボンを着衣すること。
(保護具等の着用)
第38条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、作業者に、次の各号に掲げる保護具を着用させなければならない。
  • (1) 保護帽
  • (2) 防振及び防寒のための手袋
  • (3) 耳覆い等の防音具
  • (4) 保護網又は保護眼鏡等
  • (5) ソーチェーンによる損傷を防ぐ保護部材が入った安全靴又 は同等以上の性能を有するもの
  • (6) その他滑り止め等必要な保護具
2 会員は、作業者に、チェーンソーによる切り傷防止のため、ソーチェーンによる損傷を防ぐ保護部材が前面に入った下肢の切創防止用保護衣を着用させなければならない。
3 会員は、作業者に既に刃が当たって繊維が引き出されたものなど、防護性能が低下しているものを使用させてはならない。
(振動工具管理責任者の選任及び職務)
第39条
会員は、チェーンソーを使用する事業場については、振動工具管理責任者を選任しなければならない。

2 会員は、振動工具管理責任者にチェーンソーの点検・整備状況を定期的に確認させ、その状況を平成21年7月10日付け基発0710第5号「振動障害総合対策の推進について」の別紙1の第1の3の(1)で示された別紙2の振動工具自主点検表(チェーンソー用)に記録しなければならない。

(点検整備)
第40条
会員は、作業者が使用するチェーンソーについて、点検項目を定め、その項目について、作業者に、始業時、毎週1回、1月を超えない期間ごとに1回、点検を行わせなければならない。

2 会員は、前項の点検により異常が認められたときは、直ちに補修、その他必要な措置を講じなければならない。

(目立て)
第41条
会員は、作業者に、適正なやすりを用いて作業中随時、ソーチェーンの目立てを行わせ常に最良の状態で使用させなければならない。
(予備のソーチェーンの携行)
第42条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、作業者に、予備のソーチェーンを携行させなければならない。

第2款 チェーンソー作業指針

(操作時間)
第43条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、平成21年7月10日付け基発0710第1号「チェーンソー取扱い作業指針について」で示されたとおり、作業者に、チェーンソーの操作時間について、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
  • (1) 日振動ばく露限界値(A(8)5.0m/s2)に対応した1日の振動ばく露時間(以下「振動ばく露限界時間」という。)が2時間を超える場合は、当面、1日の振動ばく露時間を2時間以下とすること。
  • (2) 「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」が把握できないチェーンソーは、類似のチェーンソーの「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」を参考に振動ばく露限界時間を算出し、これが2時間を超える場合には、1日の振動ばく露時間を2時間以下のできる限り短時間とすること。
  • (3) チェーンソーの一連続ばく露時間は、10分以内とすること。
(チェーンソー作業の方法等)
第44条
会員は、チェーンソーを用いて作業を行う場合には、その作業方法等について、作業者に、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
  • (1) チェーンソーを始動させるときは、ソーチェーンに接触するものがないことを、あらかじめ、確認し、原則として、チェーンソーを地面に置き、保持して始動すること。
  • (2) 燃料その他の可燃性の物の付近では、チェーンソーを運転しないこと。
  • (3) チェーンソーを無理に木に押しつけないこと。
  • (4) チェーンソーを用いるときは、前ハンドルと後ろハンドルに親指を回して確実に保持し、ひじや膝を軽く曲げて持ち、かつ、チェーンソーを木にもたせかけるようにして、チェーンソーの重量をなるべく木で支えさせるようにし、作業者のチェーンソーを支える力を少なくすること。
    なお、チェーンソーを肩より高く上げて作業をしないこと。
  • (5) 移動の際はチェーンソーのエンジンを止め、かつ、使用の際には高速の空運転を極力避けること。
  • (6) チェーンソーに燃料を補給するときは、エンジンを止め、かつ、チェーンソーを水平な場所で安定した状態に置くこと。
  • (7) チェーンソーのエンジンがかかっている間は、防振のための手袋を着用するとともに、耳覆い等の保護具を用いること。
  • (8) 下草払い、小枝払い等は、手のこ、なた等の手工具を用い、チェーンソーの使用はできる限り避けること。
2 会員は、チェーンソーを用いて作業を行っている作業者の周辺に、その他の作業者を立ち入らせてはならない。