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第2編 林業 第3章 木材伐出機械等 第1節 車両系木材伐出機械による作業(第86条‐第156条)

第1款 通 則

(就業の制限)
第86条
会員は、次の各号に掲げる業務を行う場合には、それぞれ当該各号に掲げる特別教育を修了した者でなければ、当該各号に掲げる業務に就かせてはならない。
  • (1) 伐木等機械(伐木、造材又は原木若しくは薪炭材の集積を行うための機械であって、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務(安衛則第36条第6号の2)安全衛生特別教育規程第8条の2
  • (2) 走行集材機械(車両の走行により集材を行うための機械であって、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務(安衛則第36条第6号の3)安全衛生特別教育規程第8条の3
  • (3) 簡易架線集材装置(集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属するものにより構成され、動力を用いて、原木等を巻き上げ、かつ、原木等の一部が地面に接した状態で運搬する設備をいう。以下同じ。)の運転又は架線集材機械(動力を用いて原木等を巻き上げることにより当該原木等を運搬するための機械であって、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)業務(安衛則第36条第7号の2)安全衛生特別教育規程第9条の2
(調査及び記録)
第87条
会員は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行う場合には、あらかじめ、次の各号に掲げる事項を調査し、その結果を記録しておかなければならない。
  • (1) 地山の地形、地質、き裂、含水、湧水、凍結等の状況
  • (2) 架空電線等の有無の状況
  • (3) 既設の道路、林道及び作業道の状況
  • (4) 立木及び取り扱う原木の形状、種類、径、高さ及び重量
  • (5) 緊急車両の走行経路及び携帯電話等又は無線通信による通信が可能である範囲
(調査及び記録を踏まえたリスクアセスメント等の実施)
第88条
会員は、前条の車両系木材伐出機械作業に係る調査及び記録を踏まえたリスクアセスメント等を実施しなければならない。
(作業計画)
第89条
会員は、車両系木材伐出機械による作業を行う場合には、第87条の調査結果及び第88条のリスクアセスメントの結果に適合し、かつ、次の各号に掲げる事項を含む作業計画を定め、当該作業計画に基づき作業を行わなければならない。
  • (1) 使用する車両系木材伐出機械の種類及び能力
  • (2) 車両系木材伐出機械の運行経路
  • (3) 車両系木材伐出機械による作業の方法及び場所
  • (4) 緊急車両の走行経路、緊急連絡先及び携帯電話等又は無線通信による通信が可能である範囲
  • (5) 労働災害が発生した場合の応急の措置及び傷病者の搬送方法
  • (6) 調査及び記録を踏まえたリスクアセスメント結果に基づくリスクの低減対策
2 会員は、前項の作業計画を定めたときは、同項第2号から第6号までの事項について関係作業者に周知させなければならない。
(作業指揮者)
第90条
会員は、車両系木材伐出機械による作業を行う場合は、当該作業の指揮者を定め、その者に前条の作業計画に基づく作業の指揮を行わせなければならない。ただし、伐木等機械及び単独作業の場合は、この限りでない。
(服装等)
第91条
会員は、車両系木材伐出機械による作業を行う場合には、作業者に、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
  • (1) 袖締まり、裾締まりのよい服装を着用する等安全な作業を行うことができる服装とすること。
  • (2) 保護帽を着用すること。
  • (3) 滑るおそれがなく、かつ、脱げにくい履物を使用すること。
(悪天候時の作業禁止)
第92条
会員は、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、車両系木材伐出機械を用いる作業の実施について、危険が予想されるときは、当該作業に作業者を従事させてはならない。
(前照灯の設置)
第93条
会員は、車両系木材伐出機械による作業を行う場合、前照灯を備えたものでなければ使用してはならない。ただし、作業を安全に行うため必要な照度が保持されている場所においては、この限りでない。
(ヘッドガード)
第94条
会員は、フェラーバンチャ、ハーベスタ、木材グラップル機等の伐倒や集積等を行う車両系木材伐出機械については、伐倒木、原木、落石などの落下物から運転者を守るため、堅固なヘッドガードを備えたものでなければ使用してはならない。ただし、原木等の落下により運転者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。
(防護柵等)
第95条
会員は、車両系木材伐出機械については、原木等の飛来等により運転者に危険を及ぼすおそれのあるときは、運転者席の防護柵等当該危険を防止するための設備を備えたものでなければ使用してはならない。
2 会員は、伐木等機械及び架線集材機械について、乗車席で作業装置の運転を行う場合は、フロントガードを備えたものでなければ使用してはならない。
(制限速度)
第96条
会員は、車両系木材伐出機械(最高速度が毎時10キロメートル以下のものを除く。)を用いて作業を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の地形、地盤の状態、機械の能力等に応じた制限速度を定めなければならない。
2 会員は、運転者に前項で定めた速度以下で作業を行わせなければならない。
(車両系木材伐出機械の走行路の確保等)
第97条
会員は、車両系木材伐出機械の走行路について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 走行路は、車両系木材伐出機械が安全に走行できる幅員とし、少なくとも車両系木材伐出機械の接地幅の 1.2倍以上、走行路の曲線部は必要に応じて幅員を大きくすること。
  • (2) 斜面を横断する走行路の盛土路面については、必要な補強措置を講ずること。
  • (3) 走行路の勾配は、使用する車両系木材伐出機械の能力に応じて決定すること。
  • (4) 木橋等は、車両系木材伐出機械の走行に耐えられる材料及び構造とすること。
  • (5) 走行路は、凹凸のないよう整地しておくとともに、根株、岩石等は、走行に支障のないように、あらかじめ、除去しておくこと。
  • (6) 土場は、土砂の崩壊、落石、流水等のおそれのない場所を選定し、車両系木材伐出機械及び貨物自動車の方向転換が安全にできる広さを確保すること。
  • (7) 走行路を確保するための作業を行うときは、作業現場の崩壊及び浮石等の落下の防止に配慮すること。
(転倒時保護)
第98条
会員は、傾斜地等であって、車両系木材伐出機械の転倒又は転落により運転者に危険が生ずるおそれのある場所においては、転倒時保護構造を有し、かつ、シートベルトを備えたものを使用するように努めるとともに、シートベルトを備えた車両系木材伐出機械を使用する場合には、作業者にシートベルトを使用させなければならない。
(誘導者の配置)
第99条
会員は、路肩等で車両系木材伐出機械を用いて作業を行う場合において、車両系木材伐出機械の転倒又は転落により運転者に危険が生ずるおそれがあるときは、誘導者を配置して車両の誘導を行わせなければならない。
(作業の合図)
第100条
会員は、車両系木材伐出機械による作業を行う場合には、一定の合図を定め、運転者及び作業者にこの合図を行わせなければならない。
(立入禁止)
第101条
会員は、車両系木材伐出機械を用いて作業を行うときは、運転中の車両系木材伐出機械又は取り扱う原木等と接触のおそれや飛来、落下等の危険が生ずるおそれのある箇所に作業者を立ち入らせてはならない。
(ブーム、アームの降下等による危険の防止)
第102条
会員は、車両系木材伐出機械については、そのブーム、アーム等又はこれらにより支持されている等の下に作業者を立ち入らせてはならない。ただし、修理、点検等の作業を行う場合において、ブーム、アーム等が不意に降下することを防ぐため、安全支柱、安全ブロック等を使用させるときは、この限りでない。
(走行の運転位置を離れる場合の措置)
第103条
会員は、車両系木材伐出機械の運転者が走行のための運転位置から離れるときは、その運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。ただし、走行のための運転位置と作業装置の運転位置が異なる場合であって、作業者が作業装置の運転位置において作業装置を運転し、又は運転しようとしている場合は、この限りでない。
  • (1) 木材グラップル等の作業装置を最低降下位置(荷台を備える車両系伐出機械の木材グラップルにあっては荷台上の最低降下位置)まで下ろすこと。
  • (2) 車両の停止状態を保持するため駐車ブレーキを確実にかける等の車両の逸走を防止する措置を講じること。
  • (3) エンジンを止めること。
2 前項の運転者は、車両系木材伐出機械の走行のための運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる事項を行わなければならない。
3 会員は、第1項のただし書きの場合で、車両系木材伐出機械の運転者が走行のための運転位置から離れるときは、その運転者に駐車ブレーキを確実にかける等の車両の逸走防止を行う措置を行わせなければならない。
4 前項の運転者は、車両系木材伐出機械の走行のための運転位置から離れるときは、同項の措置を行わなければならない。
(作業装置の運転位置からの離脱の禁止)
第104条
会員は、前条ただし書きの場合であって、車両系木材伐出機械の走行のための運転位置と作業装置の運転位置が異なる場合について、作業装置が運転されている間は、運転者をその運転位置から離れさせてはならない。
2 運転者は、前項の作業装置を運転している間は、その運転位置から離れてはならない。
(車両系木材伐出機械の移送)
第105条
会員は、車両系木材伐出機械の移送に当たり、貨物自動車への積卸しを行う場合において、道板、盛土等を使用するときは、搭載車両の転倒、転落等による危険を防止するため、作業者に、次に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 積卸しは平坦な場所において行うこと。
  • (2) 道板を使用するときは、十分な長さ、幅及び強度を有する道板を用い、適当な勾配で確実に取り付けること。
  • (3) 盛土、架設台等を使用するときは十分な幅及び強度を有するものを用い、25パーセント以下の勾配で確実に取り付けること。
(搭乗の制限)
第106条
会員は、車両系木材伐出機械で作業を行うときは、乗車席又は荷台以外の箇所に作業者を乗せてはならない。ただし、墜落による作業者の危険を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。
(作業装置の運転のための運転位置への搭乗の制限)
第107条
会員は、走行のための運転位置と作業装置の運転のための運転位置が異なる車両系木材伐出機械を走行させるときは、当該車両系木材伐出機械の作業装置の運転のための運転位置に作業者を乗せてはならない。
2 作業者は、前項の場合において、同項の車両系木材伐出機械の作業装置の運転のための運転位置に乗ってはならない。
(使用の制限)
第108条
会員は、車両系木材伐出機械の転倒、逸走又はブーム、アーム等の作業装置の破壊による作業者の危険を防止するため、構造上定められた安定度、最大走行勾配、最大積載荷重、最大使用荷重を守らなければならない。
(用途以外の使用の制限)
第109条
会員は、車両系木材伐出機械を本来の用途以外に使用してはならない。ただし、かかり木の処理に使用する場合は適用しない。
(修理等)
第110条
会員は、車両系木材伐出機械の修理又はアタッチメントの装着若しくは取り外しの作業を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わせなければならない。
  • (1) 作業手順を決定し、作業を直接指揮すること。
  • (2) 第102条の安全支柱、安全ブロック等の使用状況を監視すること。
(検査)
第111条
会員は、車両系木材伐出機械については、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、次の事項について検査を行うよう努めなければならない。ただし、1年を超える期間使用しない車両系木材伐出機械の当該使用しない期間においては、この限りでない。
  • (1) 原動機の異常の有無
  • (2) 動力伝達装置及び走行装置の異常の有無
  • (3) 制動装置及び操縦装置の異常の有無
  • (4) 作業装置及び油圧装置の異常の有無
  • (5) 車両、ヘッドガード、飛来物防護設備、アウトリガー、電気系統、灯火装置及び計器の異常の有無
2 会員は、前項ただし書の車両系木材伐出機械については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について検査を行うよう努めなければならない。
3 会員は、車両系木材伐出機械については、1月を超えない期間ごとに1回、定期に、次の事項について検査を行うよう努めなければならない。ただし、1月を超える期間使用しない車両系木材伐出機械の当該使用しない期間においては、この限りでない。
  • (1) 制動装置、クラッチ及び操縦装置の異常の有無
  • (2) 作業装置及び油圧装置の異常の有無
  • (3) ヘッドガード及び飛来物防護設備の異常の有無
4 会員は、前項ただし書の車両系木材伐出機械については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について検査を行うよう努めなければならない。
(点検)
第112条
会員は、車両系木材伐出機械による作業を行う場合には、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行わせなければならない。
  • (1) 制動装置及び操縦装置の機能
  • (2) 作業装置及び油圧装置の機能
  • (3) ワイヤロープ及び履帯又は車輪の異常の有無
  • (4) 前照灯の機能
(補修等)
第113条
会員は、第111条の検査又は前条の点検を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。

第2款 伐木等機械による作業

(立入禁止)
第114条
会員は、伐木等機械(フェラーバンチャ、ハーベスタ、プロセッサ、木材グラップル機等をいう。以下同じ。)による作業を行う場合には、次に掲げる場所に、作業者を立ち入らせてはならない。
  • (1) 伐木等機械による作業を行っている場所の下方で、原木の転落又は滑りによる危険を生ずるおそれのある場所
  • (2) 作業中の伐木等機械又は扱っている原木に接触するおそれのある箇所
  • (3) 伐倒作業中は、運転席から伐倒する立木の高さの2倍以上を半径とする円の範囲内
  • (4) 造材作業中は、運転席からブーム、アームを最大に伸ばした距離の2倍以上を半径とする円の範囲内と原木を送る方向
(合図)
第115条
会員は、伐木等機械による作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 運転者と他の作業者にトランシーバー等の通信装置を携帯させるか、一定の合図を定め、確実に行わせること。
  • (2) 運転者は、機械始動時にクラクションを鳴らして、他の作業者に注意を促すとともに、危険区域内に他の作業者や機械の有無等、周囲の確認のための指差し呼称を行うこと。
(搭乗の制限)
第116条
会員は、伐木等機械の作業時に乗車席以外の箇所に他の作業者を搭乗させてはならない。
(作業装置の運転位置から離れる場合の措置)
第117条
会員は、伐木等機械の作業装置の運転位置の運転者がその運転位置を離れる場合、その運転者に次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) アタッチメントを最低降下位置に下ろすこと。
  • (2) 車両の停止状態を保持するため、駐車ブレーキを確実にかける等の車両の逸走を防止する措置を講じること。
  • (3) エンジンを止めること。
(走行)
第118条
会員は、伐木等機械による作業を行う場合には、伐木等機械の走行に関し、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 伐木等機械の走行に当たっては、走行する林内の勾配、斜面の状況並びに荷重に応じた安全な操作及び速度で走行すること。
  • (2) 林内の傾斜地を走行するときは、車両下部(走行部)の前進及び後進の方向を確認するとともに、傾斜方向(等高線と直角方向をいう)に登降坂走行をすること。
  • (3) 斜面を下りるとき、積雪時又は凍結時には、速度を落として走行すること。
  • (4) 伐木等機械のアタッチメントは、走行方向に向け、斜面や伐根にアタッチメントが当たらない程度に低く下ろした状態で走行すること。
  • (5) 林内の傾斜地のうち、伐木等機械が繰り返し昇降する部分については、あらかじめ、根株、岩石等の障害物を取り除くとともに、当該部分を整地しておくこと。
(旋回)
第119条
会員は、伐木等機械による作業を行う場合には、伐木等機械の旋回に関し、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) アタッチメント、車両上部及び車両(以下「アタッチメント等」という。)は、適正な速度を保って旋回し、高速での旋回は行わないこと。
  • (2) 傾斜地においては、車両下部(走行部)を等高線方向に配置しないこと。
  • (3) 林内においてアタッチメント等の旋回は、アタッチメント等が立木等に接触しないよう、十分な広さを有する場所において旋回の範囲内に、他の作業者がいないことを確認した上で行うこと。
  • (4) つかんでいる伐倒木や原木が車両に接触しないよう、アタッチメントを車両に近づけた状態で旋回すること。
  • (5) 造材する土場において原木をつかんだ状態で旋回するに当 たっては、原木や車両後部が他の機械や作業者に当たることのないよう、あらかじめ周囲を確認すること。
(伐倒作業における危険の防止)
第120条
会員は、伐木等機械による伐木の作業を行う場合には、立木を伐倒しようとする作業者に、次の事項を行わせなければならない。
  • (1) 伐倒する立木及び林地の状態から倒す方向を見定め、確実に伐倒を行うこと。
  • (2) 伐倒する立木の周囲にあるかん木、枝条、つる、浮石等で、伐倒の際、その他作業中に危険を生ずるおそれのある障害物は、あらかじめ除去しておくこと。
  • (3) 運転席から伐倒する木の高さの2倍以上を半径とする円の範囲内に、他の作業者がいないことを確認すること。
  • (4) アタッチメントで鋸断するときは、チェーンソーバーを他の作業者や運転席の方向に向けないこと。
(造材作業における危険の防止)
第121条
会員は、伐木等機械による造材作業を行う場合には、造材を行う原木等が転落し、又は滑ることによる危険を防止するため、造材作業について、作業者に、次の事項を行わせなければならない。
  • (1) 平たんな地面で当該作業を行うこととし、集積作業に当たっては、次の措置を講じること。
    • ア 原木が転落又は滑落しない箇所に集積すること。
    • イ 原木を下ろす際の衝撃により、集積されている他の原木が滑落等を起こさないようにすること。
    • ウ 原木を回転移動させるときは、原木が運転席等の部分に接触しないよう確認しながら行うこと。
  • (2) 枝払い又は玉切り作業に当たっては、次の措置を講じること。
    • ア あらかじめ、原木の移動範囲に他の作業者及び障害物がないことを確認すること。
    • イ 運転席から原木の状態を確認できるよう、運転席の正面において、原木を水平方向に向けて作業を行うこと。
    • ウ アタッチメントに搭載しているチェーンソーを使用する場合は、なるべく運転席よりも低い位置で作業を行うこと。この場合において、チェーンソーが地面に接触しない程度にとどめること。
    • エ 原木の落下場所を確認して鋸断すること。
    • オ アタッチメントにより鋸断するときは、チェーンソーバーを他の作業者や運転席に向けないこと。
(はい積み)
第122条
会員は、伐木等機械による作業を行う場合には、はい積みについて、作業者に、次の事項を行わせなければならない。
  • (1) はい積みをする場所は、原木が転落したり、滑落したりしないところを選ぶこと。
  • (2) はいの高さは、安全が確保できる高さとし、はいの下部から原木を安定させながら積み上げること。
  • (3) 複数によりはい作業を行う場合のはいの高さは2メートルを超えないこととし、2メートルを超える場合は、はい作業主任者を配置し、はい作業主任者の判断に基づく高さとすること。
  • (4) 原木をつかんで旋回するときは、すでにはい積みした原木と車両の後部等が接触しないようすること。
  • (5) 原木をつかんだ状態で移動するときは、原木を横から見る方向にしてアタッチメントを車両に近づけて行うこと。
  • (6) 移動中に、原木がアタッチメントから滑り落ちないように確実につかむこと。
(木材グラップル機による木寄せ作業)
第123条
会員は、木材グラップル機を用いて木寄せ作業を行う場合には、作業者に、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
  • (1) ブーム、アームの伸縮又は旋回の操作は、安全な速度により行うこと。
  • (2) 斜面下方の原木を引き上げる際は、車両の転倒防止のため、最大使用荷重を守ること。
  • (3) 原木が障害物に接触した場合は、原木を引く方向を変更する等により障害物を避けること。
  • (4) 最大つかみ荷重(ブーム、アームを前方へ最大に伸ばした状態において持ち上げられる最大荷重のことをいう。)を超えて使用しないこと。
  • (5) 斜面上方の原木を引き下げるときは、当該引き下げる原木、その他の原木、転石等が車両に接触しないような場所に車両を設置すること。
  • (6) 原木の木寄せ作業は原木1本ごと行うこと。
  • (7) 複数の原木が重なっている場合、上部に集積された原木から順次作業し、中抜きをしないこと。
(他の機械との連携作業)
第124条
会員は、伐木等機械と他の走行集材機械及び架線集材機械との作業範囲が重複する連携作業において、伐木等機械の運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 伐木等機械と他の走行集材機械との接触が生じないよう、伐木等機械と他の走行集材機械との適切な間隔を保つこと。
  • (2) 伐木等機械と他の架線集材機械との連携作業を行う場合は、当該機械だけでなく架線に接触しないように確認すること。
  • (3) 他の走行集材機械が作業を行っているときは、伐木等機械を完全に停止すること。
(周囲の作業者との連携作業)
第125条
会員は、伐木等機械の作業範囲内で他の作業者が作業を行う場合には、伐木等機械の運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 検尺作業者と共同で作業を行う場合には、原木を地面に置き、又は伐木等機械を停止させた上で検尺作業者に検尺を行わせるとともに、当該検尺作業者が退避したことを確認してから造材作業を開始すること。
  • (2) 架線集材機械等との連携作業を行うに当たっては、その荷外し作業者が退避したことを確認してから作業を開始すること。

第3款 走行集材機械による作業

(立入禁止)
第126条
会員は、走行集材機械(フォワーダ、スキッダ、小型運材車、集材用トラクタ等をいう。以下同じ。)による作業を行う場合には、次の各号に掲げる箇所に、作業者を立ち入らせてはならない。
  • (1) 集材作業を行っている場所の下方で、原木の転落、滑りによる危険を生ずるおそれのある箇所
  • (2) 作業索の内角側で、ワイヤロープ、ガイドブロック等が反発し、又は飛来するおそれのある箇所
  • (3) 運転中の走行集材機械又は積荷に接触するおそれのある箇所
(不適格なワイヤロープの使用禁止)
第127条
会員は、走行集材機械のウインチ若しくはスリングに用いるワイヤロープ又は積荷の固定に用いるワイヤロープについては、次のいずれかに該当するものを使用してはならない。
  • (1) ワイヤロープの一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下の本号において同じ。)数の10パーセント以上の素線が切断したもの
  • (2) 摩耗による直径の減少が公称径の7パーセントを超えるもの
  • (3) キンクしたもの
  • (4) 著しい形崩れ又は腐食のあるもの
(ワイヤロープの安全係数等)
第128条
会員は、走行集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープの安全係数は4.0以上としなければならない。また、走行集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープ並びに積荷の固定に用いるワイヤロープは、その日の作業を開始する前に損傷等がないかを点検し、不適格なワイヤロープは直ちに補修し、又は取り替えなければならない。
(スリング等の点検)
第129条
会員は、走行集材機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、当該作業に用いるスリング及び積荷の固定に用いるワイヤロープの状態について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修し、又は取り替えなければならない。
(合図)
第130条
会員は、走行集材機械による作業の合図については、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 走行集材機械の運転者は、合図を指差し呼称などで確認し、他の作業者が安全な位置に退避していることを確かめた後に、クラクションを鳴らして、ウインチの運転、車両の発進等を行うこと。
  • (2) 走行集材機械の運転者と他の作業者間で、あらかじめ一定の合図を定め、合図者に当該合図を行わせること。
  • (3) 合図者は、周囲の安全を確認してから明確に合図を行い、運転者及び他の作業者は、必ず合図に従うこと。
(運転位置から離れる場合の措置)
第131条
会員は、走行集材機械の走行のための運転者がその運転位置を離れる場合、その運転者に次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。ただし、作業装置の運転位置と走行の運転位置が異なる場合であって、運転者が作業装置の運転位置において作業装置を運転し、又は運転しようとしている場合は、この限りでない。
  • (1) 木材グラップル等のアタッチメントを最低降下位置(荷台のある走行集材機械の木材グラップルでは荷台上の最低降下位置)に下ろすこと。
  • (2) 車両の停止状態を保持するため、駐車ブレーキを確実にかける等の車両の逸走を防止する措置を講じること。
  • (3) エンジンを止めること。
2 会員は、前項のただし書きの場合であって作業装置が運転されている間は、当該作業装置の運転者を当該作業装置の運転のための運転位置から離れさせてはならない。
(搭乗の制限)
第132条
会員は、走行集材機械の走行時に乗車席以外の箇所(荷台を含む)に他の作業者を搭乗させてはならない。
(走行路の確保)
第133条
会員は、走行集材機械の走行路の作設又は維持管理の作業を行うときは、作業者に次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 走行路の縦断勾配の目安は、18パーセント(10度)以下とすること。
  • (2) やむを得ず制限勾配(走行できる最大の勾配をいう。以下同じ。)を設ける場合は次の事項に留意すること。
    • ア 制限勾配の目安は、25パーセント(14度)以内とすること。
    • イ 30メートル以上の区間にわたる制限勾配に近い勾配の走行路は設けないこと。
    • ウ 制限勾配に近い勾配の前後には勾配を緩和させた区間を設けること。
  • (3) 走行路の幅員は、走行する機種の接地幅の1.2倍以上を確保すること。
  • (4) 走行路の曲線半径は、使用する機種の規格又は集材する原木の長さを勘案して最小半径を確保すること。
  • (5) 走行路の曲線カーブ作設に当たっては、雨天や凍結時のスリップ事故を防止するため、カーブ谷側を高くすること。
  • (6) 走行路の終点に車回しを設け、原木を積載して集材する走行は前進走行を確保するようにすること。
  • (7) 走行路の維持管理のため、横断排水溝を設け適切な排水を心がけるとともに、降雨後は路肩崩壊等の有無の確認を行うこと。
  • (8) 路肩崩壊等の有無の確認のため、除草を行うこと。
(走行)
第134条
会員は、走行集材機械の運転を行う場合には、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 走行集材機械の走行に当たっては、走行路の勾配、路面の状況及び荷重に応じた安全な速度で運転すること。
  • (2) 走行集材機械の急な下り走行では、以下の事項を守ること。
    1. ア 油圧駆動方式では、高速伝達切り替えスイッチを低速とし、エンジンスロットルを半分以下に絞り、走行用レバーは前後進ともに半開程度の操作で走行すること。
    2. イ 機械駆動方式では、坂道に入る前に変速機を低速のギアに入れ、エンジンスロットルを極力絞った状態で走行すること。
    3. ウ エンジンブレーキ使用時に、負荷によってエンジンの回転数 が上昇を続ける場合には、さらに低速のギアを用い、又は積載している原木を降ろし、荷重を減らすこと。
2 会員は、走行集材機械により原木をけん引する場合には、作業者に次に掲げる事項を守らせなければならない。
  • (1) 勾配の急な走行路、曲線半径の小さな走行路等において原木をけん引するときは、速度を十分に落とすこと。
  • (2) 走行集材機械の走行等に支障が生じないよう、けん引する原木は適度の長さとし、原木の滑落防止の措置を講ずること。
(荷掛け作業)
第135条
会員は、走行集材機械による作業を行う場合には、荷掛け作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 作業装置の能力に応じた重量の原木について荷掛けを行うこと。
  • (2) 積み重なっている原木は、上の原木から順次荷掛けを行うこと。
  • (3) 荷掛けの終了後に行う運転者への合図は、退避場所に退避し、周囲の安全を確認した上で行うこと。
(木寄せ作業)
第136条
会員は、走行集材機械による作業を行う場合には、木寄せ作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 走行集材機械により原木を引き寄せるときは、走行集材機械を立木や伐根にワイヤロープ等で堅固に固定すること。ただし、車両重量が大きく安定性のある機械については、この限りでない。
  • (2) 走行集材機械のウインチポールを用いて原木を引き寄せるときは、走行集材機械の転倒を防止するため、ウインチポールの上部に控索を取り付けること。
  • (3) 走行集材機械のウインチによる木寄せ作業においては、ウインチの巻込み方向と原木の引寄せ方向が同一になるようにすること。ただし、急斜面において、原木の引上げ又は引下げ時にガイドブロック等を用いて安全を確保するときは、この限りでない。
(積込み作業)
第137条
会員は、走行集材機械による作業を行う場合には、積込み作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 走行集材機械に搭載している木材グラップル装置による積込み作業においては、以下の事項を守ること。
    • ア 車両は、水平にし、駐車ブレーキをかけた状態とすること。
    • イ 急激な旋回操作はしないこと。
    • ウ 木材グラップル装置の積込荷重の定格範囲内で作業を行うこと。
    • エ 原木をつかむ位置は、原木の重心点の近くとすること。
    • オ 原木を荷台に下ろすときは、他の作業者と連携を密にし、静かに下ろすこと。
  • (2) ウインチによる積込みにおいては、ウインチを操作する者及び荷掛け作業を行う者は、相互に緊密な連絡を取り合うこと。
  • (3) 走行集材機械に原木を積み込むときは、以下の事項を守ること。
    • ア 重心を低くし、かつ、偏荷重が生じないように積載し、積荷を安定させること。
    • イ 建て木は、積載した積荷を安定させるため必要な強度を有するものを使用すること。
    • ウ 原木を積むときは、原木の方向を統一するとともに、走行集材機械から積荷が落下することを防止するため、積荷の中央が最も高くなるようにすること。
    • エ 走行集材機械に表示されている最大積載重量を超えて積載しないこと。
    • オ 荷崩れ又は原木等の落下による作業者の危険を防止するため、積荷をワイヤロープで固定する等必要な措置を行うこと。
    • カ 荷縛りは、荷締め専用器具を使用し、確実に締めること。
(荷下ろし作業)
第138条
会員は、走行集材機械による作業を行う場合には、荷下ろし作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 荷下ろしは、荷の上部から行い、中抜きはしないこと。
  • (2) 荷下ろし中は、原木の転落のおそれのある区域には立ち入らないこと。
(他の機械との連携作業)
第139条
会員は、木材グラップル機等の他の機械を用いて走行集材機械に積込み作業を行う場合、走行集材機械の操作を停止しなければならない。
(周囲の作業者との連携作業)
第140条
会員は、他の作業者が荷掛け、木寄せ、積込み、荷下ろしの各作業を行っている場合は、作業装置も含めて車両の操作を完全に停止しなければならない。

第4款 架線集材機械による作業

(立入禁止)
第141条
会員は、架線集材機械(スイングヤーダ、タワーヤーダ、集材ウインチ機等をいう。以下同じ。)による作業を行う場合は次の各号に掲げる箇所に、作業者を立ち入らせてはならない。
  • (1) 原木を荷掛けし、又は架線集材機械若しくは架線の斜面下方で、原木の滑落や転石によって、作業者に危険を及ぼすおそれのある箇所
  • (2) 作業索の内角側で、索又はガイドブロック等が反発し、又は飛来することで、作業者に危険を及ぼすおそれのある箇所
  • (3) 柱上作業が行われている場所の下方で、器具や工具等の落下により作業者に危険を及ぼすおそれのある箇所
(合 図)
第142条
会員は、架線集材機械による作業の合図について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) トランシーバー又は電話等の通信装置を使用する作業者に指名された者は、当該装置により必要な連絡又は合図を行うこと。
  • (2) 合図は、荷掛け者が主導権をもって行い、運転者はそれに従うこと。この場合、運転者は必ず応答の合図として復唱を行うこと。
  • (3) 荷外し場で他の機械と連携して作業を行う場合は、通信装置等を用いて運転者間及び他の作業者との間で連絡を確実に行うこと。
(柱上作業)
第143条
会員は、タワーヤーダ等のタワーの柱上作業を行う場合には、作業者に、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
  • (1) 支柱の昇降には、はしご等の専用の器具を使用すること。
  • (2) 墜落の危険があるときは、要求性能墜落制止用器具を使用すること。
  • (3) 支柱の上から器具や工具を投下しないこと。
  • (4) 強風、降雨、降雪、結氷等により滑るおそれのあるときは、作業を行わないこと。
(架線集材機械の据付け)
第144条
会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、タワーヤーダの据付けについて、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) タワーヤーダの据付け場所は、地盤の堅固な場所とし、かつ、タワーが垂直に起立できるところを選ぶこと。
  • (2) タワーヤーダのアウトリガー等の支持装置を設置する箇所については、地ならし又は敷板の使用により水平な地面を確保し、不同沈下を防止すること。
2 会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、スイングヤーダの据付けについて、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) スイングヤーダの据付け場所は、地盤が堅固であり、かつ、水平な場所を選ぶこと。
  • (2) スイングヤーダのブレードやアタッチメント等の装置を接地させる箇所については、地ならし又は敷板を使用することにより、水平な地面を確保し、不同沈下を防止すること。
  • (3) スイングヤーダの車両下部(走行部)を先柱又は向柱に向けて設置すること。ただし、やむを得ずその他の方向に向けて作業を行うときは、転倒及び転落を防止するための措置を講ずること。
  • (4) 集材の方向(架線の方向をいう)は林地の傾斜方向とすること。
  • (5) 下げ荷集材で、原木の落下、落石等の危険があるときは、向柱を設け、安全な場所に機械を設置すること。
  • (6) 安全装置を具備したスイングヤーダによる作業を行う場合には、安全装置を確実に作動させること。
(架線集材機械の架設作業)
第145条
会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、タワーヤーダの架設作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) タワーの起立操作後には、タワーの垂直状態及び先柱への向きを確認し、起立固定装置により確実に固定すること。
  • (2) タワーを確実に保持するため、控索は2本以上とすること。この場合において、控索は、先柱と逆方向に左右対象に、かつ、それらの水平開度が40度から60度までの範囲で配置するとともに、控索とタワーとのなす角度は45度から60度までの範囲とすること。
  • (3) 先柱を確実に保持するため、控索は2本以上とすること。この場合において、控索は、タワーと逆方向に左右対称に、かつ、それらの水平開度が40度から60度までの範囲で配置するとともに、控索と先柱とのなす角度は45度から60度までの範囲とすること。
  • (4) 集材作業時に原木が衝突するおそれのある根株や転石等は、取り除いておくこと。
2 会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、スイングヤーダの架設作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 集材方向はできる限り林地の傾斜方向とすること。
  • (2) 先柱を確実に保持するために、控索は2本以上とすること。この場合において、控索は、機械と逆方向に左右対称に、かつ、それらの水平開度が40度から60度までの範囲で配置するとともに、控索と先柱のなす角度は45度から60度までの範囲とすること。
  • (3) 集材作業時に原木が衝突するおそれのある根株、転石等は、あらかじめ取り除いておくこと。
(架線集材機械の運転)
第146条
会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、運転について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 安全装置が装備されている場合には、当該装備の目的に従って使用すること。
  • (2) 荷掛け作業を行うときは、集材ウインチを停止すること。ただし、作業者から合図があり安全が確認された場合に行う作業索を緩める操作を行うときは、この限りでない。
  • (3) 荷掛け作業を完了したときは、合図を受けてから巻き上げ又は引き寄せの操作を行うこと。
  • (4) 荷掛けフックが搬器に接近したときは、目視により当該搬器を確認して、巻き上げ操作を停止すること。
  • (5) 原木が障害物等に接触したときは、巻き上げを停止すること。
  • (6) 作業索の巻き取りに当たっては、作業索の乱巻き、からみつき等が生じないようにすること。
  • (7) 集材ウインチの急激な発進又は制動の操作は、行わないこと。
  • (8) 荷外し作業を行っているときは、集材ウインチ及び搬器を停止すること。
  • (9) スイングヤーダ又は集材ウインチ機の荷外しのためのアタッチメント又は車両上部の旋回は、作業索の状態と車両の周囲の状況を確認した上で行うこと。
  • (10) 原木は空中に吊り上げずに、地引きにより集材すること。ただし、機械集材装置を集材機として用いる場合は、この限りでない。
(架線集材機械の荷掛け作業)
第147条
会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、荷掛け作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 巻き上げを行う前に、荷が荷つり索から抜けるおそれがないことを確認すること。
  • (2) 巻き上げ開始の合図は、安全な箇所に退避した後に行うこと。
  • (3) 荷掛けを行う作業者が、集材ウインチ又は搬器の操作を遠隔操作装置により行うときは、安全な箇所に退避して行うこと。
(架線集材機械の荷外し作業)
第148条
会員は、架線集材機械による作業を行う場合には、荷外し作業について、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 集材中は、安全な箇所に退避すること。
  • (2) 荷外しは、原木が安定した状態で接地したことを確認してから行うこと。
  • (3) 荷外しを行う作業者が、集材ウインチ又は搬器の操作を遠隔操作装置により行うときは、安全な箇所に退避して行うこと。
(搭乗の制限)
第149条
会員は、架線集材機械の作業時に、乗車席以外の箇所に他の作業者を搭乗させてはならない。
(作業装置の運転位置から離れる場合の措置)
第150条
会員は、架線集材機械の作業装置の運転者が運転位置を離れる場合、その運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 作業索を緩めること。
  • (2) 集材ウインチを完全に停止すること。
  • (3) アタッチメントを有する架線集材機械では、そのアタッチメントを接地させること。
  • (4) エンジンを止めること。
(索の固定)
第151条
会員は、索を立木若しくは根株又は搬器若しくはフックに固定する場合には、作業者に次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 索の端部が固定用に加工されていない索を立木又は根株に固定する場合は、索を立木や根株に2回以上巻き付け、クリップ等を用いて確実に緊結させること。
  • (2) 索の端部にアイ加工を施した索を立木又は根株に固定する場合は、立木又は根株に巻き付けた台付け索及びシャックル等で結合することにより確実に取り付けること。
  • (3) 索の端部を搬器又はフックに固定するときは、クリップ止め、アイスプライス等の方法により確実に取り付けること。
(ガイドブロックの取付け)
第152条
会員は、架線集材機械で使用するガイドブロックの取付けに当たっては、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 台付け索にガイドブロックを取付ける場合には、作業者に、台付け索の両端のアイに、ガイドブロックのシャックルを通させること。
  • (2) ガイドブロックの取付け部は、荷重により破壊し、又は脱落するおそれがない取付け具を用いて、確実に取付けること。
(ワイヤロープの安全係数等)
第153条
会員は、架線集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープの安全係数は4.0以上としなければならない。
2 架線集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープ及び積荷の固定に用いるワイヤロープは、その日の作業を開始する前に損傷の有無等を点検し、異常を認めたときは、直ちに補修し、又は取り替えなければならない。
(不適格なワイヤロープの使用禁止)
第154条
会員は、架線集材機械のウインチ又はスリングに用いるワイヤロープについては、次のいずれかに該当するものを使用してはならない。
  • (1) ワイヤロープの一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下同じ。)数の10パーセント以上の素線が切断したもの
  • (2) 摩耗による直径の減少が公称径の7パーセントを超えるもの
  • (3) キンクしたもの
  • (4) 著しい形崩れ又は腐食のあるもの
(スリングの点検)
第155条
会員は、架線集材機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、当該作業に用いるスリングの状態について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修し、又は取り替えなければならない。
(他の機械との連携作業)
第156条
会員は、架線集材機械と他の伐木等機械又は走行集材機械との作業範囲が重複する連携作業において、架線集材機械の運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
  • (1) 接触事故を起こさないように架線集材機械と他の伐木等機械又は走行集材機械との適切な間隔を保つこと。
  • (2) 他の伐木等機械又は走行集材機械が作業を行っているときは、架線集材機械の動作を完全に停止すること。