第3編 木材製造業 第4章 荷役作業 第4節 フォークリフト作業 (第467条‐第487条)
第1款 通 則
(就業の制限)
- 第467条
- 会員は、次の各号に掲げるフォークリフトの運転の業務を行う場合には、次の各号に掲げる者でなければ、その業務に就かせてはならない。
- (1) 最大荷重1トン以上のフォークリフトについては、フォークリフト運転技能講習を修了した者
- (2) 最大荷重1トン未満のフォークリフトについては、安全衛生特別教育規程第7条に定める特別教育を修了した者
(作業計画)
- 第468条
- 会員は、フォークリフトを用いて作業を行うときは、あらかじめ、作業場所の広さ及び地形、使用するフォークリフトの能力、荷の重量、種類及び形状等に適応する作業計画を定め、その作業計画により作業を行わなければならない。
2 前項の作業計画は、フォークリフトの運行経路並びにフォークリフトの作業の方法及び作業時間が示されたものでなければならない。
3 会員は、第1項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される事項について関係作業者に周知させなければならない。
(作業の指揮)
- 第469条
- 安衛則第151条の4に基づき作業指揮者を必要とするときは、作業指揮者を定め、その者に運転者及び作業者を指揮させなければならない。
(作業の打合せ)
- 第470条
- 会員は、フォークリフトを使用して作業を行う場合には、運転者及び作業者と、作業手順、連絡方法等作業の安全上必要な事項について、打合せを行わせなければならない。
(制限速度)
- 第471条
- 会員は、フォークリフトを用いて作業を行うときは、あらかじめ、作業場所の地形、地盤の状況等に応じたフォークリフトの適正な制限速度を定め、それにより作業者に作業を行わせなければならない。
2 会員は、フォークリフトを用いて作業を行うときは、運転中のフォークリフト又はその荷に接触することにより作業者に危険が生じるおそれのある箇所及びフォークリフトの走行路線を危険区域とし、標識等の表示を行い、関係者以外の者を立ち入らせてはならない。
(転倒等の防止)
- 第472条
- 会員は、フォークリフトを用いて作業を行うときは、フォークリフトの転倒又は転落による災害を防止するため、フォークリフトの運行経路について必要な幅員を保持すること、地盤の不同沈下を防止すること、路肩の崩壊を防止すること等必要な措置を講じなければならない。
(合 図)
- 第473条
- 会員は、フォークリフトを使用して作業を行う場合には、一定の合図を定め、運転者及び作業者に、この合図を行わせなければならない。
(主たる用途以外の使用の制限)
- 第474条
- 会員は、フォークリフトを荷のつり上げ、作業者の昇降等フォークリフトの主たる用途以外の用途に使用してはならない。
(フォークリフト)
- 第475条
- 会員は、フォークリフト等については、次の各号に適合するものでなければ使用してはならない。
- (1) 前照燈及び後照燈を備えたもの
- (2) 堅固なヘッドガードを設けたもの
- (3) バックレストを備えたもの
- (4) 使用するパレット又はスキッドは、積載する荷の重量に耐える強度を有し、著しい損傷、変形又は腐食がないこと。
(定期自主検査)
- 第476条
- 会員は、フォークリフトについては、1年を超えない期間ごと及び1月を超えない期間ごとに1回、それぞれ定期に自主検査を行わなければならない。
2 前項に係る1年を超えない期間ごとに行う自主検査は、特定自主検査とし、法令で定められた資格を有する者に行わせなければならない。
3 会員は、第1項の自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。
4 会員は、第1項の自主検査を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。
(作業開始前点検等)
- 第477条
- 会員は、フォークリフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行わなければならない。
- (1) 制動装置及び操縦装置の機能
- (2) 荷役装置及び油圧装置の機能
- (3) 車輪の異常の有無
- (4) 前照燈、後照燈、方向指示器及び警報装置の機能
2 会員は、前項の点検により異常が認められたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。
第2款 フォークリフト作業
(作業の打合せ)
- 第478条
- 会員は、フォークリフトを使用して作業を行う場合には、運転者及び作業者に、作業手順、連絡方法等作業の安全上必要な事項について、打合せを行わせなければならない。
(危険区域の表示等)
- 第479条
- 会員は、フォークリフトを使用して作業を行う場合には、作業箇所及びフォークリフトの走行路線を危険区域とし、標識等の表示を行い、関係者以外の者が立ち入ることを禁止しなければならない。
(立入禁止)
- 第480条
- 会員は、持ち上げた丸太の下へ作業者を立ち入らせてはならない。
(フォークリフトを離れるときの措置)
- 第481条
- 会員は、運転者が運転位置から離れる場合には、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
- (1) フォークをおろし、エンジンを止め、キーをはずし、ブレーキを確実にかけること。
- (2) 傾斜している場所では、前号のほか、変速レバーを最低速に切り換え、車輪に歯止めをすること。
(点検整備)
- 第482条
- 会員は、フォークリフトによる作業を行う場合には、フォークリフトについて、安衛則に則して、点検、定期の自主検査を行うほか、点検項目を定め、その項目について、作業者に、始業時に点検を行わせなければならない。
2 会員は、前項の点検により異常が認められたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。
(車体の安定)
- 第483条
- 会員は、フォークリフトを使用して荷役作業を行う場合には、運転者に車体の停止位置の路面状態を確認させ、車体の安定が確保できる状態で作業を行わせなければならない。
(運転一般)
- 第484条
- 会員は、フォークリフトを用いて作業を行う場合には、運転者に、次の各号に掲げる事項を守らせなければならない。
- (1) フォーク又はフォークにより支持されている荷の下に作業者を立ち入らせないこと。
- (2) フォークにより支持されている荷、パレット又はスキッド等、その他乗車席以外の箇所に作業者を乗せないこと。また、フォークリフトを作業者の昇降に使用しないこと。
- (3) 許容荷重を超えて使用しないこと。
- (4) フォークリフトを離れるときは、安全場所に停止し、フォークを地面又は床面まで下げるとともに、原動機を止め、確実にブレーキをかけるほか、傾斜地では、変速レバーを最低速に切り換え、歯止めを施す等フォークリフトが停止の状態を保つための措置をすること。
- (5) フォークリフトを走行させるときは、必ずマストを後方へ一杯に傾けること。
- (6) フォークリフトを発進させるときは、フォークリフトの直前及び直後に作業者がいないことを確かめ、かつ、進行方向の安全を確認すること。
- (7) 踏切、交差点、建物の出入口等見通しの悪い箇所では、一旦停止して左右の安全を確認すること。
- (8) 滑りやすい場所、不整地等を走行するときは、低速運転とすること。
- (9) フォークをてこ代わりにして丸太を移動しないこと。
- (10) フォークで丸太を押し転がさないこと。
- (11) ティルト装置を使って丸太を引っ張らないこと。
- (12) フォークではいを突き崩さないこと。
- (13) 丸太をフォークリフトに載せるときは、フォークの中心と丸太の重心を合わせ、材面がフォークの根元に接するまでフォークを差し込むこと。
- (14) 地面に接している丸太にフォークを無理に差し込まないこと。
- (15) 丸太を持ち上げるときは、フォークを一旦地面より5~10センチメートル上げ、丸太の安定、偏荷重の有無について異常のないことを確認した後、マストを後方に傾け、必要な高さまでフォークを上げること。
(空車の運転)
- 第485条
- 会員は、フォークリフトを空車で走行させる場合は、運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
- (1) フォークの下端を地上から30センチメートル程度の高さに保つこと。
- (2) 道路を走行するときは、フォークにパレット等を取り付け、又はフォークの先端に標識を付けること。
(実車の運転)
- 第486条
- 会員は、荷を積載したフォークリフトを走行させる場合には、運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
- (1) フォークの下端の地上高は、15~20センチメートルを標準とし、走行路の状態等でこれにより難いときでも、フォークの上面が30センチメートルを超えないこと。
- (2) 急激な発進、停止、旋回をしないこと。
- (3) 傾斜地では斜め又は真横に走行しないこと。
- (4) 走行中にフォークの上げ下げをしないこと。
- (5) 走行中に旋回するときは、速度を落とし、積荷及び車体の後部が、はい、建物等に接触、衝突等しないようにすること。
- (6) 勾配5パーセント以上の坂道を下るときは、後退運転とし、エンジンブレーキを使用すること。
- (7) 進行方向を見通せない高さの荷を運搬するときは、後退運転をし、又は誘導者をつけること。
(丸太のはい付け)
- 第487条
- 会員は、フォークリフトの運転者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
- (1) はいの正面に対して直角に進入し、はいの手前で一旦停止し、先にはい付けしてある丸太について荷崩れ等の危険がないことを確認した後、はい付けにかかること。
- (2) はい付けするときは、マストを垂直にし、先にはい付けしてある丸太のやや高めの位置までフォークを上げ、静かにマストを前傾させて丸太を滑らせること。
- (3) 丸太が滑り降りないときに激しいティルト操作をして丸太を滑らせないこと。