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災害事例研究 No.50 【林業】

トラック運搬(荷おろし)作業中、荷の原木が崩れ落ち、その下敷きとなった

 スギの原木(長さ3m、末口径14~25cm、200本程)をトラックに積み、伐採現場から木材市場へ運搬して荷おろし作業を開始した。ほどなく、トラックの反対側で立ち会っていた木材市場関係者が、トラックから積み荷の一列目の原木がガラガラと大きな音をたてて落ちる音を聞いた。このため、荷おろし側に回ってみたところ被災者(トラック運転手)の姿が見えないことから、周囲を確認したところ積み荷の原木の下敷きになっている被災者を発見した。

災害発生の状況

 現場の状況から推定すると、被災者は、荷おろし側(運転席側)前方から後方へ向かい、アームの安全ピン(ロックピン)を外した。助手席側から後方の2つのロックレバーを解除した際に、安全ピン(ロックピン)が抜けてないことに気づき(抜き忘れか、抜け切れていなかったかは不明)、ハンマーで安全ピン(ロックピン)を取り外したところ、積み荷の原木が落下して下敷きになったものと推定される。

災害発生の原因

  1. 片側4箇所にある立て木の枕木の安全ピン(ロックピン)のうち1本が抜けていないことに気づき、安全を確認しないまま荷おろし側から安全ピン(ロックピン)の取り外しをしたこと(推定)。
  2. 立て木の取り扱い手順が定められていなかったこと。

災害防止対策

  1. トラックの荷台上の原木をおろすときには、ロープを解く前、または立て木を外す前に、荷崩れの危険がないかを確認すること。荷崩れの恐れのあるときは、繊維ロープ等で仮締め等の措置を講ずること。
    (災防規程 第186条 荷おろし前の措置)
  2. 万が一、安全ピン(ロックピン)の外し忘れ等があった場合、トラックを方向転換して反対側からおろすことや、フォークリフト等を使用して積み荷を順番におろすなど、作業環境・状況に応じ安全な手順で行うこと。
  3. 荷おろし作業中は、原木の転落のおそれのある区域に立ち入らないこと。
  4. 作業者に対し荷おろし作業に係る安全教育を行うこと。
    (災防規程 第109条 荷おろし作業)
    casestudy050