災害事例研究 No.75 【林業】
送材車の木回し部分と帯のこ盤の基礎部とに腹部を挟まれた
送材車の木回し部分と帯のこ盤の基礎部(コンクリートで固定しているもの)に腹部を挟まれ、死亡したものである。
災害発生の状況
被災者は、始業点検のあと、自動送材車付き帯のこ盤により、1人で製材作業に従事していた。作業に取りかかってしばらくしてから、送材車から白い煙が出ているのが見えたため、異常に気付いた別の作業員が駆けつけると、送材車の木回し部分と帯のこ盤の基礎部(コンクリートで固定しているもの)に腹部を挟まれている被災者を発見した。
被災者は、送材車の走行レバーを後進側に入れたが、バックしなかったため、自動ロックがかかったものと思い、帯のこ盤・送材車とも電源スイッチを切らずに、送材車を離れ、製材中の材(長さ2m)の整理、もしくは状況の確認をしようと被災現場に見に行き、何らかの拍子で送材車がバックして、送材車に取り付けられている木回しと帯のこの基礎部に挟まれたと推測される。
災害発生後の調査では、送材車が動かなかった理由は、油圧装置のモーターを結ぶ2本のVベルトの1本は焼き切れ、もう1本のベルトはプーリーから外れていた。
災害発生の原因
送材車の走行レバーを後進側に入れたが、バックしなかったため、自動ロックがかかったものと思い込み、帯のこ盤・送材車とも電源スイッチを切らずに、送材車を離れ、被災現場に立ち入ったことと推測される。
災害の防止対策
- 送材車の周囲で作業をする場合は、帯のこ盤と送材車の電源を切り、帯のこの回転が止まってから行うこと。
- 異常時の作業手順を作成すること。