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災害事例研究 No.80 【林業】

トラックに積み込んだ原木をとびを使って均す作業中、荷台から転落し地面に頭部を激突

 フォークリフトを運転して原木をトラックの荷台に積み込み、その後、トラックの原木に上がり、とびで原木を均す作業を行っていたところ、トラックの荷台から転落し、地面に頭部を激突したものと推測される。

災害発生の状況

 被災者は、一人で原木集積場からフォークリフトを運転して原木をトラック最大積載量12.8トンの荷台に積み込み、トラック荷台の原木に上がり、とびで原木を均す作業を行っていた。フォークリフトにより原木を数回積み込んだ後、被災者の姿が見えないことから、周辺を確認したところ、高さ約2 . 7 mのトラックの荷台から転落し、地面に頭部を激突したものと推定される被災者が発見され、その後死亡が確認された。
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災害の発生原因

  1. とびが原木から抜けたと推定されること。
  2. 荷台上の作業位置が不適切であったと推定されること。
  3. 滑りやすい履き物を履いていたこと。
  4. ヘルメットを被っていなかったこと。

災害の防止対策

  1. とびは毎日点検をして、最良の状態で使用すること。特に次の点に注意すること。
    ア 柄にヒビ等の損傷がないか。
    イ とびの先が確実に柄に固定されているか。
    ウ 刃先が正常に研磨されているか。

    災防規程第281条(作業用具)
    会員は、とび、つる又は木回しを使用して作業を行う場合には、作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。

    1. 取扱う原木の大きさ及び重量等に適したとび、つる又は木回しを使用するこ
      と。
    2. とび、つる又は木回しは、原木等に完全にかかっているかどうかを確認するこ
      と。
  2. 積み込み作業を行うときは、トラックの荷台の端に近い位置は転落等のおそれがあるので、安全な位置に立ち、正しい姿勢でとびを使用すること。
  3. 原木の上は足場が滑りやすいので、滑りにくい履き物を履くこと。
  4. トラックの荷台上で作業を行う場合は、保護帽を着用すること。

安衛則第151条の74

 事業者は、最大積載量が5トン以上の貨物自動車に荷を積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は最大積載量が5トン以上の貨物自動車から荷を卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、墜落による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。