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災害事例研究 No.81 【林業】

はい積みした荷にフォークリフトのフォークを差し込んだところ荷が崩れ、はいの反対側にいた作業者の頭部に激突

 荷を移動させるため、はい積みした荷にフォークを差し込んだところ、はい積みした一番上の荷が崩れ、反対側で作業していた作業者の頭部に激突し、死亡したものである。

災害発生の状況

 フォークリフト運転者が、3段積み(1段100枚、高さ1m、幅約90 cm×180 cm)の合板の一番上段の荷を移動させるためにフォークを差し込んだところ、一番上段の荷が崩れたため、荷の反対側で別の作業をしていた被災者の頭部に荷が激突したものである。
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災害の発生原因

 フォークリフト作業を行うに当たり、あらかじめ運行経路及び作業方法等について作業計画を定め、関係作業者に周知していなかったこと。

災害の防止対策

 平成17年~26年までの10年間の木材製造業のフォークリフトによる死亡労働災害は16 件発生している。これは木材製造業全体の14%に達しており、木材製造業では、コンベヤーによる災害に次いで多く発生している。

具体的には、以下の対策を行うこと。

  1. 車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときは、あらかじめ運行経路・作業方法等について作業計画を定め、関係作業者に周知すること。安衛則(作業計画)第151条の3
  2. 車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときは、運転中の車両系荷役運搬機械等又はその荷に接触することにより、作業者に危険が生ずるおそれのある箇所に作業者を立ち入らせないこと。安衛則(接触の防止)第151条の7
  3. はい付け又ははいくずしの作業が行われている箇所で、はいの崩壊又は荷の落下により作業者に危険のおそれがあるところに、作業者を立ち入らせないこと。安衛則(立入禁止)第433条日頃から、作業前の打ち合わせの際、車両系荷役運搬機械等の運行経路や作業方法等を関係作業者に周知を図るなどの対策と、関係法令等の教育も必要である。

フォークリフトの発進に係る「指差し呼称」の例

  1. 進行方向の路上に木片、原木等はないか
  2. 進行方向に人はいないかを確認し、「前方ヨシ」、「周りヨシ」と指差し呼称をします。
  3. 進行方向の左側に人はいないかを確認し、「左、ヨシ」、同様に、右側を確認し、「右、ヨシ」と指差し呼称をし、
  4. 発進します。
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